No. 51 1/6 その2 恐るべし豚カツ屋の亭主
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街のはずれに、ちと高いがうまい豚カツ屋がある。久しぶりに行った。

飯を食い終わる頃にお茶を入れ替えてくれたりするのは、いつもお茶を
催促する私を覚えているからだろう。

で、喰い終わり、お茶をすすっているときに店のニヒルな職人っぽい
オヤジが話しかけてきた。「何? 今は町中に住んでいるの?」大学時代
から、年に何度かのペースで通っているので素性は晴れて居るのだ。
「実家帰らないの? 北海道だったよね」

まて、オヤジ。

今まで記憶している中で親父と話したのは、二回。
「何年生?」
「二年生です」
で一回。
「あれお卒業したんじゃなかった?」
「あ、事情がありまして」
で一回。

で、その後ちょいと話をしていて分かったんだが、私の友人がこの間
そこへ行ってなんだか話をしたようだ。

理由が分かってちょっとほっとしたような、していないような。