No. 803 6/7 食べてみろ、俺も食べてみる
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年末年始実家に帰った際、北海道新聞の元旦特別版に載っていたのが
「空前のジンギスカンブーム、今中目黒が熱い」だったのです。
北海道新聞に載っていてもこれ見て中目黒行く人は少ないよなぁ、っ
て思っていたのですが。

それから半年、ジンギスカン屋さんガンガン出来てます。どこもそこ
そこ人が入ってます。近所の焼肉屋もジンギスカン屋に変わったしそ
の辺のスーパーでもラム肉、ベルたれ、手に入るようになりました。

友人に新橋で有名なジンギスカン屋さんに誘われまして、奇しくもそ
の店名を知ったのが3日前という偶然さもありまして行ってきました。

酔っ払い天国、サラリーマン天国の新橋ですが、とはいえ平日火曜の
20時。一時間待ちです。ありえない。ジンギスカンに一時間待ち。
狭い路地に丸椅子がたくさん置かれておりましてみなさん神妙な面持
ちでお待ちです。店から吐き出される煙に巻かれながら順番をまって
らっしゃいます。空腹が向かいの焼き鳥やへと誘惑しますが、せっか
く来たのだからと我々も神妙な面持ちで待ちつづけます。

やっと店に入りますと、カウンターには七輪に炭。その上にスリット
の入ったジンギスカン鍋が置かれております。スリット入りは一度し
か経験が無いのですがもやしが落ちて食べにくいのであまり好きでは
ありませんがしょうがありません。

人数分のラム肉は必須との事ですのでそれはお任せして野菜セットを
頼みますと、お店の方がジンギスカン鍋にもやしといくつかの人参、
ピーマンを乗せてくれました。

はて、お肉の登場です。こじんまりとした皿に肉がちょこんと乗って
います。おそらく焼肉屋基準の量だと思います。一人前100グラム位で
しょうか。鍋の上に置かれた野菜を退けつつ、その厚めの肉を置きま
すと子気味いい音を立てて肉が焼け始めます。

適度に焼けた頃、とりあえずタレをつけずに焼いた肉を頬張って見ます。

ウメ〜よ。こんなウメ〜ラム肉始めて食べただよ。

ところがです、大変なことに魂はなぜか震えないのです。ゴメンぐー
さん、俺は東京で北海道の魂を無くしてしまったよ。もう国には帰れ
ないよ...

肉が非常に美味いので次にタレをちょいとなめてみます。

え、っと、なんじゃこれ?

甘くないんです。酸味も少ないんです。さっぱりしすぎなんです。つ
かシナモン?八角?変な匂いがするよ〜。とりあえず、焼いた肉をつ
けて食べてみます。美味いです。凄く美味いんですけど魂は震えない
のです。なんかおかしいのです。ここで私の頭にひとつの回答が閃き
ました。

「五十嵐よ、これはジンギスカンではなくてラムチョップだ」

そうなのです。これはラムチョップなのです。凄く美味いんだけど、
ジンギスカンではないのです。突然のこんな言葉も友人は予想してい
たかの様に冷静な顔つきで「黙って食え」という顔をします。

その後私は小さな声で「これはラムチョップだ」と何度も言いながら
大量の肉を消費してきました。いや、美味いんですけど。魂は震えな
いのです。


家に帰ってきてから、今後に広げるため東京方面のジンギスカン屋さ
んについていろいろ口コミ情報を探してみました。道産子同盟の先駆
者たちの情報をまとめてみて判ったこと、

・最近流行りの店は札幌流(臭みがない)
・東京では甘いタレにはあまり遭遇できない。
・そして俄然ベルとソラチが大人気
・中目黒方面は予約さえ大変
・しかし道産子連は満足できていない人も多数

道産子は思ったことをそのまま口に出す、というのはネット上でも一
緒の様子で辛辣な意見が多いですね。最近のジンギスカン屋はどこも
「良いラムなので匂いはしません」というのを売りにしてますが、
だったら焼き肉食ってろ、という意見が多いも面白いです。
今日行った店も選びぬいたラム肉だそうで帰ってきてから着替えてな
いのですがジンギスカンの匂いが全然しません。驚きですが、食べて
いて感動が訪れないものこの辺に理由があるのかもしれません。そし
てそれはどうも札幌から始まったというのが衝撃。だってちょっと前
まで道内他地域と同じ物食べてたはずなのにあの肉で魂は震えるのか?
まぁ札幌はスープカレーとか変なものが流行る所だからなぁ...
以前、札幌から出て来た友人が「ラムよりマトン」と言っていたのが
ほんのちょっとわかる気がしてきました。

あと、タレに対する魂の叫びが多いのにも驚きました。焼肉だと「や
っぱり一流店はタレが違うネェ」なんて良く聞くのですがジンギスカ
ンにおいてはタレの話は「ベルvsソラチ」の一騎打ちに等しい状態な
のですね。うちはずっとソラチでしたが私が高校生の頃くらいにベル
に鞍替えしたので私自身は両刀使いです。中にはベルに果汁などを加
えるベルカスタムな家庭もあるようでこれはこれでひとつ教えて頂き
たいところ。

九州の人のとんこつラーメンに対する想いとか、関西の人のたこ焼き
に感する想いとかあー、はいはいってな感じで聞いていた部分あった
のですが、今道産子連のジンギスカンに対する想いって一種呪縛的な
勢いがあるかもしれませんです。私が大のジンギスカン好きである部
分も大いに影響してるとはおもいますが。

ところで、近いうちに誰かジンギスカンを食べに行きませんか?
私が魂を震わせてる所(※)が見れるかもしれませんよ。

最後に、とある新しいお店が提案した新しいジンギスカンのスタイル
に対して非常に感銘できる意見があったので極端に要約します。

「なにが大人のジンギスカンだ、こちとら炊事遠足から海水浴から
キャンプから花見から何は無くてもジンギスカンなんじゃ。節目、
節目の楽しい想い出は全部ジンギスカンなんじゃ。大人だとか子供
だとか道民の文化なめんな。」

でもなぁ、こんな思い入れがあるとデートにはちと使えネェなぁ。

(※) 妙にはしゃぎだし、落ち着きを無くし、一口食べた瞬間目を
ウルウルさせます。(マジです)
でもこんな鍋(左上)はさすがに持ってません