バスを降りると、街全体が甘い香りに包まれている。 僕の育った街にはない、花。
小さい、小さい、その花は存在感を示すのに必死で、 その姿が君の姿に重なる。
この甘い香りのなかを君と一緒に歩きたかった、そう 思う。
せめて、この香りだけでも届けば。あの街に今も暮らす、
君に。